2022年6月19日(日)に、茅野市の白樺湖畔で開催される「山ん家フェス2022」。キャッチフレーズは「よし!よし!!よし!!!ここで暮らそう楽しもう!」。

このキャッチフレーズやフライヤーのデザイン、なんとも楽しそうです。きっと楽しいイベントに違いない!と思いつつ気になったのが、「休日子育てシェアハウス」や「躍女」という文字。フェスの運営メンバーはいったいどんな方々なのでしょう?!

リーダー(休日シェアハウス山ん家 代表)の矢島麻優美さんにオンラインインタビューさせていただきました。

休日シェアハウス山ん家 代表 矢島麻優美さん

◉Local stay 八ヶ岳:フライヤーやウェブサイトを拝見しますと、地域で暮らしている人たちが集まるような楽しそうなイベントですね。このフェスの運営について教えてください。

■矢島さん:出店してくださるお店や企業は、子育てしながら働く私たちの活動を応援してくださっている方々で、出店はこちらからお願いしました。地元の白樺の木でクラフトを作っておられる方や、カゴメ野菜生活ファーム、茅野市に醸造所があるクラフトビールのエイトピークスさんなどですね。

フェスの企画と運営は、「休日子育てハウス山ん家」のメンバーの母親と子ども達で主に行っています。主催は茅野市のDMO「一般社団法人ちの観光まちづくり推進機構」で、「山ん家フェス実行委員会」としてフェスの運営をやる形です。長野県地域発元気づくり支援金という補助金をいただいて経費に充てています。

2020年に始めたのですが、2021年はコロナ禍で延期になってしまい、今年が2回目です。

◉Local stay 八ヶ岳:白樺湖はバブル期には一斉を風靡した高原リゾートだったのが、その後、衰退時期もありましたね。最近は若い世代や子育てファミリーを見かけますし、また元気が出てきた印象を受けます。

■矢島さん:私は13年前に結婚して引っ越してきました。バブル期の周辺地域の観光地としての様子は知らず、過去の話を見聞きするだけでした。確かに引っ越してきた当初はそんな印象があります。

茅野市は移住促進の取り組みに熱心で、「楽園信州ちの」というウェブサイトもあって情報発信も多いのですが、やはり移住者や別荘の方が増えて観光施設をご利用ただいたり、改めて蓼科や白樺湖にいらっしゃる若い世代のお客様が増えたのだろうと思います。また白樺湖・車山・女神湖エリアでは、首都圏から移住されて事業を始められる方が増えました。

◉Local stay 八ヶ岳:イベントを運営する「山ん家」さんは、休日子育てシェアハウスという、お子さんを預ける施設を持っていらっしゃるんですね。これについて教えてください。

■矢島さん:観光施設で仕事をしている人たちは休日に出勤しなければならないので、休日に子供を預ける所がないと仕事に行けないのです。蓼科や白樺湖の辺りはエリアが広いので、子供たち同士が自分の足で友達の家に遊びにいったりすることがなかなかできません。未就学児、小学生共に居場所がないんです。

でも行政は予算がなくて保育園や学童施設を運営できないと言う。行政にはマンパワーも予算もない。地域にニーズはあるのだけど、子供の預かりを誰がやるんだ?と疑問に思いました。

私自身は、東京の同じ職場で知り合って結婚した夫が、白樺湖畔にあるリゾートホテルの跡継ぎだったのですが、私もそのホテルで働き始め、子どもを出産してから、休日に子どもを預ける場がないことに初めて気づきました。

そうしたこともあって、茅野市内のホテルや旅館、宿を経営している子どものいるママ達が集まって、休日の子どもの居場所の運営をやろうじゃないかということで始めたんです。

最初は、手の空いたママ達での見守り合いでスタートし、保育士の資格を持つ人に来ていただいて始めたのですが、今年で4年目です。場所は白樺湖の近くの一軒家です。2019年のゴールデンウィークの10連休がきっかけで立ち上げましたが、毎年毎年、週末だけでなくお盆や年末年始など、立ち上げてよかったと思いました。

見守りという形になりますが、お世話をするのは、子供のお母さん、保育士さん、ファミリーサポート事業援助会員の資格を持つ方で、0歳から小学校6年生までが対象です。

託児施設ではなく、ファミリーサポートセンター事業で、子どもの居場所としています。

運営資金としては、補助金を活用したり寄付も集めましたし、運営には月々の会費があります。ただ、まだまだ経営が成り立っていると言えるものではないのですが。

◉Local stay 八ヶ岳:矢島さんが関わっておられる、フェスに出店もされる「躍女広場」なるものについて教えてください。

■矢島さん:観光地の蓼科や白樺湖周辺には、子育てしながら活躍している女性がたくさんいるのですが、女性が働くことは当たり前だということが地域に浸透していないと思っています。これを当たり前にしていきたいんですね。

躍女広場は、地域で活躍している女性にもっと前面に出て頂き、女性が働き続けることの当たり前を啓蒙していく活動です。

この地域で働いている女性は多いのですが、あまり前面に出ないせいか、注目されていない。意思決定の場にいるのは、男性ばかりで女性があまりいません。働く場に対して声を上げにくい理由はそれかなと思っています。女性の方も、いろいろと諦めていることもあるのかな、諦めたらチャンスも少なくなってしまうんですよね。

例えば観光地で消費する人たちの多くが女性ですが、女性目線の情報発信が少ないので女性のお客様に響かないと感じています。

フェスでは、蓼科エリアの観光業で活躍している女性のトークライブなどもさせていただくんですが、女性も活躍できるよということを見ていただきたいんですね。そうした女性と繋がれる場でもあるので、ぜひ繋がりましょう!

第1回「山ん家フェス」の様子

◉Local stay 八ヶ岳:茅野で暮らしている女性が市民ライターをされているウェブメディアを楽しく拝見しているのですが、女性目線の発信だなと感激しています。

■矢島さん:「チノクラシ」ですね。Instagramとfacebookを開設していて、女性がいいなと思うお店などをご紹介しています。
https://www.facebook.com/chinokurashi/

◉Local stay 八ヶ岳:フェスの後の、皆さんの活動があればご紹介いただけますか。

■矢島さん:7月3日に市民活動センター「ゆいわーく茅野」で、「躍女とおしゃべり」というイベントがあります。もうそろそろ告知しますが、元長野県副知事の中島恵理さんや、SNSインフルエンサーの女性にもご登壇いただいて、若い世代の目線や情報発信について学べる企画です。女性目線の発信を他の企画でも進行していますが、全員30代で、活動を引き継げる若い世代がいないことが課題ですね。

**********取材を終えて。

八ヶ岳エリア一帯は観光リゾート地として、たくさんの女性の視点やアイデア、発想力、おもてなしの力、働き手を必要としているんですね。

子育て世代の移住者も多く、働きたいお母さんも多いのではないかと思うのですが、なるほど、女性が働きやすい、働きたい、活躍できる職場であること、働く業界や企業に合わせた子育て環境を整えるのも、地域と業界の課題だと感じました。

そうした意味で、「休日シェアハウス山ん家」や「躍女広場」「躍女とおしゃべり」の取り組みは、地域の先進例と言えそうです。引き続き注目して取材させていただきたいと思います。ありがとうございました。

■山ん家フェス2022
https://www.facebook.com/yamanchifestival2020/
□開催日:2022年6月19日(日)9:30〜 雨天決行
□開催場所:白樺湖リゾートローソン裏芝生広場(池の平ホテル&リゾーツ正面)
長野県北佐久郡立科町大字芦田八ヶ野白樺湖1596
□主催:ちかくの旅の見本市in8Peaks実行委員会(一般社団法人ちの観光まちづくり推進機構)
□後援:茅野市
□企画運営:休日子育てシェアハウス山ん家
 
■躍女とおしゃべり
□開催日:2022年7月3日(日)10:30〜13:20
□開催場所:ゆいわーく茅野
□お申し込み:https://forms.gle/XMic4wtmzv9mUR12A
□主催・問い合わせ先:ちかくの旅の見本市in8Peaks実行委員会(一般社団法人ちの観光まちづくり推進機構)

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